新型コロナウイルスによる緊急事態宣言で、学生たちは大切な4月と5月を自宅で過ごしています。
2か月分の授業の遅れを、課題や映像授業で取り戻そうとする動きもありますが、この遅れを取り戻すのは至難の業でしょう。
そこで俄かに持ち上がってきたのが、9月入学説です。
当初は、9月ならちょうど良いのではないかと思われたのですが、よく考えると大変な負担を強いられる可能性があることが、見えてきました。
今回は「9月入学で同級生変わる?兄弟で同級生も?早生まれで突然受験生に?」を書いていきたいと思います。
9月入学で同級生変わる?

出展:news yahoo.co.jp
一言でいえば、同級生は変わることになりますね。
4月入学なら、4月2日~翌年4月1日生まれまでの人が対象となります。
普通は4月1日から3月31日までだと思いがちですが、これは学校教育法と民法によるものだそうです。
つまりそれにならうならば、9月入学の場合は、9月2日~翌年9月1日生まれまでが同学年となるわけですね。
ここで「おや?」と思われる方も多いことでしょう。
4月2日から9月1日生まれまでの学生は、突然1学年上になるはずです。
と同時に、翌年の4月2日から9月1日までに生まれた、1学年下だった学生たちが、同学年となるはずです。
早い話が、親友がある日、先輩や後輩になる。
これ、大混乱だと思いませんか?
部活動なんて、どうなるんでしょう?
日本若者協議会の調べによれば、10代の77%が9月入学に反対しているそうです。
日本若者協議会では、同級生が変わることへの混乱以外にも、下記のデメリットがあると指摘しています。
●9月にコロナ騒動が収まっている可能性は低い
●受験が暑い時期になる負担
●特に私立の学校で、約半年分の空白の期間の授業料を誰が負担するのか
●この5月中に動き出さないと9月入学は難しい(準備の時間もない)
兄弟で同級生も?

出展:朝日新聞デジタル
その他にも、妙な問題が起きてきます。
双子なら同級生なのは当たり前ですが、年子の兄弟で、9月2日生まれの兄と、翌年9月1日生まれの弟がいたとしたら、彼らは突然同級生となります。
それでいて、弟の方が勉強やスポーツができたとしたら、どうでしょう?
兄と弟の関係が突然、逆転しそうな感覚がありませんか?
出産、また妊娠、また出産とのタイミングを考えれば、このケースはさほど無理はなく、充分にあり得ます。
早生まれで突然受験生に?

出展:toyokeizai.net
9月1日生まれで、高校2年の学生がいたとします。
今は5月ですから、新型コロナウイルスの混乱で、高校2年になってまだクラスと顔合わせもロクにしていません。
その彼が突然「君は9月から高校3年生だ」と言われたらどうでしょう?
2年の授業を一度も受けないうちから、受験生です。
明らかに不公平ですね。
では新型コロナウイルスが収まって、9月から3年のクラスに行ったとしましょう。
人間関係と学力不足で、彼は大きなハンデを背負うことになります。
しかも3年生は、下から上がってきた子の分、倍率が高くなるわけです。
4月2日~9月1日の約5か月分の誕生日の子が上がってくるわけですから、約1.5倍近い倍率です。
こんなことが許されるはずはないのです。
ですから、たぶん9月入学になった場合に、9月から入学するのは、4月に入学するはずだった同級生でなければなりません。
空白の5か月はなかったことにしなければならないでしょう。
受験の大原則はこうです。
●空白の5か月を余分に準備に使える学生がいても良いが、準備期間が5か月削られる生徒がいてはいけない。
早くも2021年の受験は、安全志向、地元志向が強くなるとの予測が出ていますね。
受験生の皆さんのメンタルをかき乱すような2転3転だけはやめて欲しいです。
まとめ
今回は「9月入学で同級生変わる?兄弟で同級生も?早生まれで突然受験生に?」を書いてきました。
9月入学を実施するに当たっての問題点に絞ってみましたが、あまりに多くないですか?
ワールドスタンダードにするために、海外留学や海外からの留学生を受け入れるために、これほどのリスクを負う必要があるでしょうか?
当サイトでは、従来通りに4月入学にした方がマシだと考えるようになりました。
あるいは遅らせるなら、まるまる1年遅らせて、来年4月入学とする方が簡単でしょう。
この1年は、オンライン授業で補って、学校行事は1年後に行う。
これが一番混乱が少ない気がしますし、平等だと思うのですが。
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