麻雀賭博で辞任した黒川弘務さんの後任で、東京高検検事長に就任した、林真琴さん。
調べてみると、黒川さんと同期(35期・63歳)で、むしろ林さんが出世の本命だと目されていた時期があったそうです。
ですから、本来の位置に返り咲いたということですね。
いったい、どんな経緯でこうなったのでしょうか。
なぜ黒川さんが次期検事総長ということになっていたのでしょうか。
見えてきたのは、黒川さんの特殊な能力と、林さんの森友問題や朝日新聞との関係です。
どうやら長い闘いがあるようですね。
そこで今回は「林真琴氏の評判は?経歴は?黒川弘務との関係は?森友を朝日にリーク?」について検証していきたいと思います。
林真琴氏の評判は?
もともと検察庁トップの稲田伸夫検事総長は、この林真琴さんは後任にと考えていたそうですが、官邸の横やりが入り、黒川さんがNo.2の東京高検検事長へ、そしてライバルの林さんはNo.4の名古屋高検検事長に甘んじていたそうです。
検事総長、東京高検検事長、大阪高検検事長、名古屋高検検事長の順ですから、一見大抜擢のようで、実は本来の位置に戻ったということのようです。
稲田検事総長は安倍政権と敵対する関係です。
以下の文春の記事を見てみましょう。
安倍政権が政権ベッタリの黒川氏を総長に据えようと、稲田総長に退任をいくら迫っても総長がどうしても首を縦に振らなかったことから、黒川氏が63歳の定年を迎える2月8日を前に、定年延長制に基づき定年延長を決めたというわけです。しかし、検察官は定年延長制の対象外とした1981年の政府見解があると指摘されると、安倍政権は法解釈を変更したと強弁。変更の経緯が文書で残っていないと追及されると、口頭で決裁したと釈明し、ついには脱法措置を正当化させるかのように定年延長制度を盛り込んだ検察庁法改正案を国会に提出したのです。
今回も黒川さんの辞任の責任を、安倍政権は稲田検事総長に取らせようとしていますね。
その稲田検事総長が林さんを後任にと考えていたのですから、安倍政権とは距離を置き、それゆえに優秀ながら冷遇されてきた人材であることがわかります。
経歴は?
林眞琴
昭和58年 検事任官
法務省矯正局総務課長,法務省刑事局総務課長,最高検総務部長,仙台地検検事正,法務省刑事局長などを経て,
平成30年1月9日、名古屋高検検事長就任
以下はご挨拶からの抜粋です。
犯罪情勢が複雑化,多様化し,これへの対処がますます困難となっている状況の下でも,検察は,その力量を高め,真に処罰すべき事案,処罰すべきものに対して,刑事司法に参画する諸機関と連携しながら,適正な手続の下で,的確・適切に科刑を実現していかなければならないと思っております。(名古屋高等検察庁HP)
このように正義感が強く、実直なお人柄が想像されます。
担当されてきた主な案件です。
黒川弘務との関係は?
林氏の人物像を考えるのに、黒川氏との比較ほどわかりやすいものはありません。
文春には決定的な一言が書かれています。
検察とは「治安の両輪の関係にある」と言われる警察の最高幹部に以前、黒川氏の人物評を聞いてみたことがあるが、「能吏だと思うが、彼には正義がない」と言っていたのを思い出す。黒川問題の本質とは、正義を体現すべき検察官としての自覚に乏しく、犯罪である賭けマージャンに興じる奇異な官僚と、未熟な政権が組み合わさったことで起きた悲喜劇だったということではなかろうか。
有能だと思うけど、正義がない。
それが黒川さんだそうです。
どう有能だったか?
黒川氏は陰で『猛獣使い』などと呼ばれていたのです。
(文春)
猛獣とは、気難しい政治家(法務大臣)のことです。
政治家とうまくやっていく能力に長けていたと。
安倍政権が必要としていた人材であることが、このニックネームからも裏付けられますね。
猛獣使いの才能が開花する前の黒川さんと林さんの力関係は以下のようでした。
35期は法務官僚畑の『赤レンガ派』は林氏、特捜部畑の『捜査現場派』は佐久間氏と言われるようになりました。黒川氏も若い頃は特捜部で四大証券利益供与事件などの捜査に関わりましたが、ぱっとはせず、法務官僚畑の道を進むことになりました。林氏が稲田氏の後任として法務省の人事を差配する人事課長に就任した2008年1月の異動で、黒川氏は秘書課長から官房審議官に就任しています。『すでに検事総長コースに乗っていた稲田氏の後継者は林氏』という規定路線はこの時点で鮮明となっており、黒川さんが後塵を拝している印象は拭えませんでした。
(文春)
正統派の林さん、猛獣使いの黒川さんという関係で、ここ数年は力関係を逆転させていたようですね。
検察ナンバー2のポストは安倍政権が最も窮地に立たされたモリカケ問題を無事乗り切ることができたことへの論功行賞というわけだ。だが、安倍政権に新たな疑惑が発覚する。桜を見る会の問題だ。そしてこの問題は昨年末の国会閉会段階でも収束せず、越年となったことで、今年2月8日に黒川氏を定年退官させるわけにはいかなくなってしまったというわけである。(文春)
そして今回の麻雀賭博辞任からの人事で再逆転し、元に戻ったようです。
森友を朝日にリーク?
森友の内部文書を朝日にリークしたのは誰か?
Yahooニュースでは以下のような記事がありました。
一見して「大抜擢」のような林氏の名古屋高検検事長人事だが、その裏には「林潰し」があるようにも見える。それに不満を持った検察の一派が今回のリークを目論んだ……というのが、永田町の一部の見たてだ。
もちろんこれは憶測ですし、本当に問題なのはリークではなく、文書の内容です。
財務省内部の半乱説も有力だそうですし、「林潰し」との関係を証明する証拠はありません。
これをもって林氏を黒いと評価する声が一部であるようですが、文書の内容が問題なのであって、リーク自体は国民にとって利益となるものでした。
死人も出ていた森友問題ですから、相当な覚悟を持ってされたことだと思います。
黒川さんがいなくなり、行動力のある林さんが夏には検事総長になると言われており、「森友問題」「桜を見る会」の検察による捜査の進展が期待できそうですね。
まとめ
今回は「林真琴氏の評判は?経歴は?黒川弘務との関係は?森友を朝日にリーク?」について検証してきました。
今後は稲田検事総長から林高検検事長への引継ぎが、無事に行われるかどうかを国民が見守らなければなりません。
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