東京マラソン2020で自己の日本記録を更新して見せた、大迫傑。
インタビューでは涙も見せ、ここまで苦しかったことがよく伝わってきました。
そこで今回は、「大迫傑の東京とシカゴでの日本記録のラップは?」「びわ湖のライバルは?」について検証してみたいと思います。
大迫傑の東京とシカゴでの日本記録のラップは?
表は、大迫傑選手が今回も含めて出した、2度の日本記録のラップタイムの比較です。
距離 | 東京マラソン | シカゴマラソン |
5km | 0:14:33 | 14:53 |
10km | 0:29:12(14:39) | 30:12(15:19) |
15km | 0:44:01(14:49) | 45:07(14:56) |
20km | 0:58:42(14:41) | 59:51(14:44) |
25km | 1:13:32(14:50) | 1:15:19(15:29) |
30km | 1:28:40(15:08) | 1:29:46 (14:28) |
35km | 1:43:36(14:56) | 1:44:17 (14:31) |
40km | 1:58:51(15:15) | 1:58:59(14:43) |
ゴール | 2:05:29 | 2:05:50 |
※( )内は5kmごとのラップタイムです。
シカゴマラソンでは、スピードの上げ下げが激しく、大迫選手も20~25km地点でやや疲労してしまった後があります。
その反省として、今回の東京マラソンでは「自分の力以上の走りをしない」で、タイムを均等にして疲労を抑えていることがわかります。
東京マラソンでは、25~30km地点で先頭のペースが上がり、そこについていかなかった大迫選手とついて行った井上選手は、その後の明暗が分かれました。
ついていかなかったというか、その前の2回の水分補給に失敗したため(立ち止まったりも)、少し下がって、確実に補給をしたというのもありそうですし、失敗した補給のダメージがあったとも言えるでしょう。
ダメージがありながら、先頭はペースを上げており、ここで見ている側としては、大迫選手はもう駄目かと思いました。
しかし30~35kmでライバルの井上選手の顔が歪みだすのと一緒に、大迫選手の反撃が始まりました。
キロ3分を切るペースで一気に追いついて、井上選手の表情を見て、一気に抜き去りました。
この辺、復活した大迫選手に余裕があるように感じ、予想タイムも4分台になってましたが、実はそうでもなく、大迫選手は35~40kmでタイムを落とします。
つまり、井上選手をいかに圧倒して抜き去るかに、大きな力を使ったわけです。
大迫傑選手の強さは、戦術眼と学習能力の高さにありそうです。
最後は6位から4位へと順位を上げていながらも、タイムは思ったよりも伸びませんでした。
日本記録を21秒更新したのは非常に素晴らしく、更新しすぎてない点も良いと思いました。
なぜなら、東京五輪本番で3度目の1億円を狙えるからです。
東京五輪がかなり濃厚になりましたが、大迫スタイルを確立したのは大きかったと思います。
つまり、「自分の力以上の走りをしない」ということです。
今回優勝したレゲセは、それでも歴代3位の記録しか持っておらず、東京五輪では銅メダルの本命です。
大迫選手は、メダルを狙って「自分の力以上の走りをする」ようなことはしない気がしています。
自己新、つまり2時間4分台前半であわよくば銅メダル、ダメでも日本記録更新を狙っていくと思います。
プロですから、狙えるうちに狙って当然です、1億円。

出典:msn.com
びわ湖マラソンを走るライバルは?
1週間後のびわ湖マラソンがあるので、大迫傑選手はまだ心が落ち着かないでしょう。
ずばり、大迫選手を押しのけて五輪代表になる可能性が残されているのは4人。

出典:びわ湖マラソン公式

出典:びわ湖マラソン公式
この4人はMGCに出場した選手なので、東京五輪代表になる権利を有しています。
自己最高が2時間9~10分台の4人ですから、正直、2時間5分台を出す可能性は0に近いです。
日本人で今まで2時間5分台を出したのは大迫選手しかいません。
しかも5分台前半が必要です。
東京マラソンの高速コースで出た、2時間5分29秒がびわ湖で出ることは、例え大迫選手であっても考えにくいです。
この4人も、本気で五輪代表を狙いに行くなら、高速コースの東京マラソンを選んだ気がします。
99%確定だといえるのではないでしょうか。
なぜ100%でないかといえば、びわ湖マラソンに出る、チェベト(ケニア)とケモンゲス(ウガンダ)は日本記録を上回る自己ベストを持っているからです。
タイムは、チェベトが2時間5分00秒、ケモンゲスが2時間5分12秒です。
日本人4人が独走では日本新を出せないとしても、この2人の招待選手と最後まで競るような展開になったら、わかりません。

出典:the answer
まとめ
今回は、「大迫傑の東京とシカゴでの日本記録のラップは?」についてレース展開を思い出しながら検証し、一週間後の「びわ湖マラソンのライバルは?」についてもご紹介しました。
いずれにしろ、楽しみです、一週間後のびわ湖も!
そして瀬古さんから最後に一言あったようですね。
「こんなレースをしてるようではメダルは獲れない」。
厳しいですね!
瀬古さんも期待されながら取れなかったからなぁ。
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